ボルドの骨格

骨格は、普段は表面を覆うもの、たとえば「肉付け」やデコレーションに取り巻かれていて、なかなかその大切さに気付くことがありません。
たとえば、粘土で人物像を作る時、最初にハリガネで骨格をしっかりと作ります。
しかる後、骨格の周りに粘土の肉付けを施していくのです。
この時、製作者は骨格の大切さを実感します。
なぜならば、骨格のフォルムがその後の完成品のフォルムを決定することを悟るからなのです。
表面の肉付けで形を作ろうとしても、頼りないフニャフニャしたものになります。
ハンバーグや肉団子のようなものです。完成品の風格は製作者にとっては、骨格の風格なのです。
ジャコメッティー1
ジャコメッティー2
家づくりも、言うまでもなく骨格が大切です。
しかしそう表現した場合、人々は柱や梁といった具体的な「構造」を思い浮かべます。 いわば「もの」としての骨格です。
柱が何センチあるとか、梁がしっかりしているとか、「もの」の話をするのです。



千金堂が家づくりとご提案していくなかで、大切にしているのは「構造」としての骨格はもちろんのことですが、むしろその前に「考え方の骨格」です。
そうです。二つの骨格。そのハリガネがないと、永い間にわたって愛着が持続する「家」になりません。
考え方の骨格が、しっかりした「構造の骨格」を気持ちのこもった「もの」にしていくのです。
二つの骨格

① 考え方の骨格

阪神淡路大震災と「フォレストワークいえづくりの会」の経験


阪神淡路大震災も、千金堂結成の大きな理由になりました。
約600種類のソリッドモジュールとして結実しています。食品偽装の話を例にとるまでのなく、いま、暮らしの安心、安全は自分で守る時代なのかもしれません。
出典:財団法人消防科学総合センター「災害データベース」


工務店ユニオン:千金堂は、フォレストワーク家づくりの会という11社の工務店の自主的な勉強会を母体として発足しました。ニッポンの山はいま、無計画な杉の植林と放置によって荒れ放題です。
千金堂は国産の材木を使いながら、ニッポンの山と向き合っています。

② 構造の骨格

600種類のソリッドモジュール。安全はすべてに優先する。


写真で見ていただいているのは、「建て方/棟上げ」の風景です。大工さんと呼ばれる人たちは、この日をとても大切にしています。前の日は酒を控えめにして早く寝る。当日早起きして気合いを充実させる。そんなことを長年繰り返してきた人たちです。
写真からも、その気合いが感じ取れると思います。
タイトな仕事。タイトな骨格。
しっかりと構造材を組み上げて、施主に労をねぎらってもらう。 これが上棟式です。
ゴミひとつなく後片付けをして、明日からの仕上げ工事に備える。
「きれいな仕事」と呼びならわす職人のプライドの表れは、この上棟式でピークに達します。
ボルドは一件、アバンギャルドな外見に見えますが、このような基本の仕事をしっかりとしていることによって、自由で斬新なフォルムを実現しているということを、写真を見ながら是非感じ取っていただきたいと思います。
考え方の骨格。それが伝搬した「きれいな仕事」。しっかりした「構造の骨格」。
この千金堂のプライドの上に、いよいよ自由でのびやかな発想と生活の表現;ボルドのフォルムが肉付けされていくのです。
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